写真家なら写真で勝負しょう!
これから世界に出ていきたいと考えている方にとって、
今日書く事はじっくり読んで考えて欲しいです。
毎回書いていますが、今日も書きます。
(#^.^#)
これから書く発想はもちろん僕自身の発想です。
他人の発想は分かりませんから…。
またこれから書く事を読んで、
「それは違う!」と突っ込まれても困ります。
もし違うと思えば、それはそれで良いでしょう。
100人Artistがいれば100通りの発想があります。
それがArtist(アーティスト)ですから。
・・・・・・・・
先日下記ブログで下の方に少々書いたんですが…
最近は色々悪意のあるメールやメッセージが届くようになりました。
『誰でも撮れるシンプルな写真で勝負する!"Simple" is "best"』
まあもっとも世界で有名になってからず~っとそんなメールは来ていたんですが、
久しぶりにTV出演して上村愛子さんに写真術指導した後から、急にその数も増えました。
それでも僕はタフな男ですから、その事自体乗り越えていくのは問題ないのですが…
実は最近面と向かって僕に罵声を浴びせた男がいました。
この話はこれから世界でArtist活動したいと考えている方や、このブログ読者の皆様は良く読んでじっくり考えて下さい。
これから書く事は写真家としてもそうですが、人の生き方としても重要な事です。
★尚このブログは色々な職業の方が読まれていますし、これから書く内容は法律に触れる部分もありますので、書かれている内容はフィクションと致します。後は読者の皆様のご判断にお任せします。
・・・・・
昨年末、札幌で仕事が終わり、20年以上行きつけの店で一人で飲んでいました。
しばらくして女と中年男が入って来ました。あとで分かった事ですが、女はススキノで働くキャバクラ嬢、男は○○○協会所属のプロ写真家です。
しばらくの間店は賑やかで相当な客がいましたが、次第に減り最後は彼らと僕の3人だけになりました。時計も既に夜中の2時を回っていました。
さあ、そろそろ帰ろうと思って席を立とうとした時、
「何だこれ!ケント白石の写真じやねーかよ!お前こんな奴の写真見てんのか?」
いきなり大声で男がそう叫んだのです。
続けて女が「いいじゃん!私この人の写真好きなんだから…この太陽の写っている写真めちゃ好きなんだよ。」そう言うと、
「おまえ、そんなゴミ写真のどこが良いのよ!馬鹿かお前は。写真見る目が全然お前には無いんだよ!そんな太陽写真はゴミだぞ。俺に撮らせたらもっとましな写真撮ってやる。」
「運良くアップルだかリンゴだか知らんけどよ、写真が何だか分かって無いアメリカの馬鹿に選ばれて、喜んでる様な野郎の写真だぞ。そんなもんはクソ、ゴミだ!。」
・・・・・
もし僕が20代で血気さかんな頃か、あるいは映画を見過ぎて米国俳優のスタローンかシュワルツネッガーに変身したい中年男なら、ベロベロに酔っ払っているこのプロ写真家の外道に一発浴びせたかもしれない。
しかし・・・、僕は長い人生でこんな男はそれこそたくさん見てきた。というより見過ぎてきた。そしてそう言う連中がつまらない人生をその後も送り、他人の悪口を言いながら、ただ歳取って死んで行くのを見てきた。
少なくとも2ちゃんねるや酒場でしか語れない者、まして女の前で「俺の方が…よりも上だ!」などと話している野郎に、どの世界であろうと一流はいない。大声で僕の名前を叫ぶという事は、彼にとってそれだけ僕の存在が大きい証拠だ。
だから・・・さっさと帰ろうと思い、財布をだした瞬間、
「もう一杯、俺がご馳走するから飲んでってよ!今あいつをつまみ出すから…。」そうマスターが言った。
ちなみに彼は今までに何度もこの店から客をつまみ出している。ずーーっと血気盛んな男だ。
でも僕は直ぐにマスターを止めた。そして小さな声で彼に話した。
「札幌の×××協会の連中は、それこそ10年以上前に僕の宿に何度も泊めてやったよ。それもプロ写真家と言えば聞こえは良いけど、金の無い貧乏人ばかりだから宿泊料は半額にしてやった。当時の僕はまだアマチュア写真家で彼らから何かを学べると思ってた、いや何かを学べると期待していた。でもそれは期待外れだったんだ。驚いた事に、その当時モニターをきちんとカラーマネジメントしてプリンターと色合わせしているのは僕だけだった。彼らはその道具さえ持っていなかった。既にデジタルの知識はアマチュアの僕の方が上だったんだ。その程度の連中なんだよマスター、僕が世界に出ようと思った理由が分かるでしょう?・・・僕は意識の低い者と負け犬は相手にしたくない。そんな連中は僕の人生には必要無い。」
そう言って立ち上がり帰ろうとした時、奴は外に出て行った。どうやら飲み過ぎて具合が悪くなった様だ。
マスターはちょっと待っててという仕草をした後で、奴と一緒に来た彼女に話しかけた。どうやら彼女はこの店の常連で、2、3万使ってくれる客を毎回連れてくるのが役目の様だった。
マスターが何かを話したその瞬間、「え~~~~ウソ~~~~!」と、細い体のどこから出たのか分からない様な奇声を発した。
そして次の瞬間、僕の前にぶつかる様な勢いで飛んできた。
「本当にケントさんですか~~~~~」何とも言えない奇妙な声。「ハイ、そうです」そう答えると、「ギャー~~~本物だ~~~!」文章に書けないリアクションをした。
「私ケントさんの太陽写真メッチャ好きなんです~~~スマホの壁紙にもしてるもん~~会えてうれしい~~キャーーーそうだそうだサインして下さい!~~~」と言って彼女の働くキャバクラのチラシを差し出した。
「ええ!これにサインするの?・・・それはちょっとなー」しかたがないから自分の名刺を出してその裏にサインした。そうしたらとても喜んで彼女は自分の名刺を僕に渡し、「ぜひ店に来て下さい!特別なサービスしますから・・・」、そうちょうど話したところで、奴が帰って来た。
僕の方をちらっと見てから自分の席についた。彼女は小さな声で「あの馬鹿はもう連れて帰りますから・・・今度札幌に来たら必ず寄って下さいね~」そう言って奴の隣に座ったが、10分もしないうちに、「マスター帰るね~~~」と言って金を奴に払わせて店の外に出た。出て行く時、奴に見えない位置で僕に投げキスした。付けまつげが何ともグロテスクな娘だった。あれがその業界の流行りなのか???
僕には良く分からないが・・・キャバ譲と遊びたいとは正直思わない。
・・・・・
さて、やっと店内は静かになった。それは当然で客は僕一人だ。最後に一杯だけ飲むかどうしょうか迷っていたら、
「これは嫌な思いさせたから俺のおごりだよ!」そう言ってウイスキーが出た。口に含むと豊潤でまろやか。少なくとも20年以上熟成している。「旨い!」そう一言いうと、眼の前にボトルが置かれた。タリスカーの30年。旨くて当然だ。
「やっと静かに大人の時間が楽しめるね~」マスターにそう言って二人で笑ったが・・・その時間は長くは続かなかった。
・・・・・
いきなり入口のドアが開いた。奴が戻って来た。
僕はマスターに「I will be back.と彼は言ったかい?」そう言って笑った。
マスターは直ぐに「閉店です!」簡単にそう告げた。・・・しかし、彼は帰らなかった。
僕の方に向かって来た。
背中に気配を感じた僕は、せっかくの極上酒がまずくならないうちに一気に飲んだ。そして奴の方に振り向いた。
「あんた、ケント白石さんかい?」途中ろれつが回って無いようだったがそう訊いて来た。
「はい、そうです。」いつものケント・スマイルで明るく返事をした。
「さっきはちょっと言葉が過ぎて、あんたの悪口を言ったかもしれないが、気にしないでくれ…。」そう話した。
どうやら外でグロテスクなキャバ嬢から聞いた様だ。・・・それで詫びに来たのなら、まあ良しとするか・・・そう思ったのは早計だった。
「さっきはまさか本人が居ると知らなかったから言葉が悪かったけどよ、本人が眼の前に居るならハッキリ言いたい。あんたの写真はゴミだ。特に太陽写真はクソだな。それだけおれはハッキリ言っておきたかったんだよ。・・・邪魔したな」
奴はそれだけ言うとドアに向かって歩き出した。
最近僕は人前で大声を出したり、怒る事はまずない。撮影マナーの悪い者にさえ出来るだけ優しく注意する様にしているつもりだ。
しかし・・・この時、この瞬間、僕の心の中で何かが大きく切れる音がした・・・。
「待て、ゴキブリ野郎!」カラオケでも出ない様な大声が出た。奴が振り返った。
「美瑛町にはいないが、札幌にはプロ写真家を名乗るゴキブリが居ると聞いてた。まさか眼の前で合うとはなあ~~~ゴキブリ写真家、お前の事だろ?」
「何だときさま…」奴が言い返そうとしたが、直ぐに僕は続けた。
「普通ゴキブリって奴は人間の見えない所でコソコソするもんだ。2ちゃんねるとか女の前とかで他人の悪口言って喜んでる生き物だ。それなのにお前さんは、本物の写真家を前にしてもしゃべってるゴキブリだ。ゴキブリの道からも外れてるぞ。」
そこまで言うと、「なんだてめえ、この野郎・・・」そう叫んで僕の方に突進してきた。
僕は座ったままま、すでに足で準備していた隣の椅子を奴の前に蹴りつけた。すると見事に弁慶の泣き所(膝下)に命中して、奴は前に転び、次の瞬間待機していたマスターが、太い腕を首に回し奴の手を後ろにはがい締めにした。もはや彼は全く身動きが出来ない状態。
僕は椅子から離れて彼の横に座り、汚い耳の穴に向かって語った。
『プロボクサーが二人いて、もし片方が「俺の方がお前より強い!」そう言ったら、その勝負はリングで闘ってつける。それがプロってもんだ! でもお前さん達××協会のゴキブリ写真家は、ご本人が登場したらコソコソ逃げるか? あるいはあんたみたいに口で語るだけの臆病者だ。』
「あんた写真家なんだろ? しかも3流でもプロ写真家を名乗ってるんだろ?、だったら写真で勝負したらどうだ!」
耳糞の詰まった耳でも聞こえる位に大きな声で言った。暫く、といっても数秒だが沈黙があった。
「わかった!」呻くように彼は声を出し、「よし、てめえと勝負してやる。写真で勝負してやる!」男はそう言った。
僕はマスターに眼で合図して、彼を放させた。そして彼を起こして座らせ、自分もその前に座った。
「500pxは知ってるか? 世界中に500万人以上の会員数を誇る世界一大きな写真サイトだ。」
「知ってる、投稿した事は無いが…。」彼は足も腕も相当痛そうだった。自業自得だが明日は仕事にならんだろう。
「そのサイトであんたと僕は二つの新しいアカウントを取る。そして写真を投稿して24時間後自動的に表示される点数がお互いの評価だ。0.1点でも点数の高い方が勝者だ!」
「あんたの所属してる協会の別なゴキブリ写真家が以前同じルールで勝負したよ。」
「敗者は相手が使っているカメラの新品を買って渡す。僕の場合はSONYのα7R2だ。40万位だ、どうだ受けるか?」
彼は直ぐに答えた。
「もちろん受けてやる。でもカメラなんかいら無い、金にしろ。」そう言った。
「わかったよ、それじゃ50万円だ!、いいな?」僕がそう言うと、
「50万?100万円でもいいぞ?どうせお前が払うんだから…。」そう答えた。
「いきがるなよ、どうせ貧乏プロ写真家なんだろ? 廻りを見ろ、男3人しかいないんだぞ。ここには見栄を張りたくなるような女はいない。無理するな!」そう言ったら、
「俺が100万と言ったら100万だ!受けれないのか?」そう訊いて来た。
僕はしばしこいつの顔を睨みつけた。
「よし分かった、100万だ。プロ同志の約束だ忘れるな!」
そう言って彼を立たせた。そして名刺を渡した。
「今日の午後5時まで札幌にいる。いつでも俺の携帯に電話よこせ。こんな勝負は年に数度ある。だからPDFファイルで詳しい決闘ルールと要項を作ってある。印刷してあんたに渡す。」
彼は僕の名刺を握りしめながら入口まで歩き、振り向いて、「逃げるなよ!」そう言った。
「誰が逃げる?僕が? 僕は有名だ、逃げ隠れ出来ないさ。あんたはどうだ?僕はあんたの名前さえ知らない。いいか今日の5時までだぞ!忘れるな。それからあんたは自分で100万と言ったんだ。必ず用意しろよ!」
そう話している間にドアが閉まった。
・・・・
マスターはドアに鍵を掛け、奴を倒した椅子を直し、僕の前にグラスを置いた。
今度は眼の前にボトルが見えた。フランス・コニャック地方最高のブランデーの一つ、ポールジローの50年だった。
暫く沈黙が続いた・・・この酒を飲む時はその事に集中すべきだ。それほど素晴らしい酒だ。
口火はマスターが切った。
「賭けるかい?」
僕はマスターの顔を一瞬見て、声を出そうとした瞬間、向こうが早かった。
「来ない方に賭ける!」そう言った。しかも続けて「電話が来たら3万、来なければ1万、どうだい?」顔が笑ってる。
「答えは分かってるでしょ?」僕がそう言うと、「そうだよな、やっぱりゴキブリ写真家だね~いつの時代もああいう奴が居るんだよね~」マスターはそう呟き、自分のグラスにも同じ酒を注いだ。
お互いに伊達に歳は取っていない。
50万と言った僕に対して、賭け金を100万に釣り上げるような奴は参加しない。これは数少ない僕が信じている真実の一つだ。
そして案の定、その日1日電話は鳴らなかった。
・・・・・
僕が何故この話を皆さんに書いたか?
これは僕の自慢話ではありません。むしろその逆で、僕はこういうゴキブリ写真家に癖壁しています。
写真家は、少なくとも世界でアーティストを目指す様な写真家は、写真で勝負すべきです。しかも闘う相手は誰かではない、自分との闘いです。
つい先日、米国の超一流写真家が僕に1枚の写真を送って来ました。これまでに見た事ない様な現像です。そう、今までの写真は撮影に重点が置かれていた。しかしこれからは変わる。少なくとも風景写真の世界は大きく変わる。
写真は撮るから創作する世界になる。8K時代になればこの意味がもっと理解出来るようになるでしょう。そして世界の超一流はどんどん先に進んでいる。
皆さんが目指すのは世界のアーティストです。上で書いた様な「ゴキブリ写真家」とは意識が違うはずです。
僕はただただ写真が好きで、撮る事も、皆で写真について語る事も楽しいのです。だからこんなくだらない写真家と出会うととても悲しいのです。
皆さんは目指す方向をけして間違ってはいけません。日本の写真文化を世界に広めるためにも、どうか頑張って下さい。
最後に写真を貼ります。
![]()
「朝日の中で雪降る丘」 北海道美瑛町
嫌な事があった翌日の朝、こんな情景に出会うと涙が出てきました。
僕は何のために写真を撮っているのだろう・・・そんな事を考えながら、撮影した後も暫く雪の中にたたずんでいました。
いつの日か、世界中で活躍する多くの日本人アーティストと写真について楽しく語りたい。そんな夢を僕は抱いています。
それまで、ひたすら・・・時々孤独と闘いながらも、意識を高く持って努力し続けます。きっと皆さんが後に続いてくれると信じています。
今大きな仕事が入りました。これから少しの間、創作活動に専念します。
![]()
![]()
(#^.^#)
ケント白石
北海道を世界に売り込む侍写真家
★ケント白石 写真家のCafe「てふてふ」
Open Time : 13時~22時 不定休 写真術講座開講中
Tel:0166-92-5137
撮影で不在の時が多いです。来館前にお電話下さい!
Professional & SAMURAI Photographer Kent Shiraishi
ケント白石 写真家の宿「てふてふ」
★Facebookページ
「Kent Shiraishi Photography」
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これから世界に出ていきたいと考えている方にとって、
今日書く事はじっくり読んで考えて欲しいです。
毎回書いていますが、今日も書きます。
(#^.^#)
これから書く発想はもちろん僕自身の発想です。
他人の発想は分かりませんから…。
またこれから書く事を読んで、
「それは違う!」と突っ込まれても困ります。
もし違うと思えば、それはそれで良いでしょう。
100人Artistがいれば100通りの発想があります。
それがArtist(アーティスト)ですから。
・・・・・・・・
先日下記ブログで下の方に少々書いたんですが…
最近は色々悪意のあるメールやメッセージが届くようになりました。
『誰でも撮れるシンプルな写真で勝負する!"Simple" is "best"』
まあもっとも世界で有名になってからず~っとそんなメールは来ていたんですが、
久しぶりにTV出演して上村愛子さんに写真術指導した後から、急にその数も増えました。
それでも僕はタフな男ですから、その事自体乗り越えていくのは問題ないのですが…
実は最近面と向かって僕に罵声を浴びせた男がいました。
この話はこれから世界でArtist活動したいと考えている方や、このブログ読者の皆様は良く読んでじっくり考えて下さい。
これから書く事は写真家としてもそうですが、人の生き方としても重要な事です。
★尚このブログは色々な職業の方が読まれていますし、これから書く内容は法律に触れる部分もありますので、書かれている内容はフィクションと致します。後は読者の皆様のご判断にお任せします。
・・・・・
昨年末、札幌で仕事が終わり、20年以上行きつけの店で一人で飲んでいました。
しばらくして女と中年男が入って来ました。あとで分かった事ですが、女はススキノで働くキャバクラ嬢、男は○○○協会所属のプロ写真家です。
しばらくの間店は賑やかで相当な客がいましたが、次第に減り最後は彼らと僕の3人だけになりました。時計も既に夜中の2時を回っていました。
さあ、そろそろ帰ろうと思って席を立とうとした時、
「何だこれ!ケント白石の写真じやねーかよ!お前こんな奴の写真見てんのか?」
いきなり大声で男がそう叫んだのです。
続けて女が「いいじゃん!私この人の写真好きなんだから…この太陽の写っている写真めちゃ好きなんだよ。」そう言うと、
「おまえ、そんなゴミ写真のどこが良いのよ!馬鹿かお前は。写真見る目が全然お前には無いんだよ!そんな太陽写真はゴミだぞ。俺に撮らせたらもっとましな写真撮ってやる。」
「運良くアップルだかリンゴだか知らんけどよ、写真が何だか分かって無いアメリカの馬鹿に選ばれて、喜んでる様な野郎の写真だぞ。そんなもんはクソ、ゴミだ!。」
・・・・・
もし僕が20代で血気さかんな頃か、あるいは映画を見過ぎて米国俳優のスタローンかシュワルツネッガーに変身したい中年男なら、ベロベロに酔っ払っているこのプロ写真家の外道に一発浴びせたかもしれない。
しかし・・・、僕は長い人生でこんな男はそれこそたくさん見てきた。というより見過ぎてきた。そしてそう言う連中がつまらない人生をその後も送り、他人の悪口を言いながら、ただ歳取って死んで行くのを見てきた。
少なくとも2ちゃんねるや酒場でしか語れない者、まして女の前で「俺の方が…よりも上だ!」などと話している野郎に、どの世界であろうと一流はいない。大声で僕の名前を叫ぶという事は、彼にとってそれだけ僕の存在が大きい証拠だ。
だから・・・さっさと帰ろうと思い、財布をだした瞬間、
「もう一杯、俺がご馳走するから飲んでってよ!今あいつをつまみ出すから…。」そうマスターが言った。
ちなみに彼は今までに何度もこの店から客をつまみ出している。ずーーっと血気盛んな男だ。
でも僕は直ぐにマスターを止めた。そして小さな声で彼に話した。
「札幌の×××協会の連中は、それこそ10年以上前に僕の宿に何度も泊めてやったよ。それもプロ写真家と言えば聞こえは良いけど、金の無い貧乏人ばかりだから宿泊料は半額にしてやった。当時の僕はまだアマチュア写真家で彼らから何かを学べると思ってた、いや何かを学べると期待していた。でもそれは期待外れだったんだ。驚いた事に、その当時モニターをきちんとカラーマネジメントしてプリンターと色合わせしているのは僕だけだった。彼らはその道具さえ持っていなかった。既にデジタルの知識はアマチュアの僕の方が上だったんだ。その程度の連中なんだよマスター、僕が世界に出ようと思った理由が分かるでしょう?・・・僕は意識の低い者と負け犬は相手にしたくない。そんな連中は僕の人生には必要無い。」
そう言って立ち上がり帰ろうとした時、奴は外に出て行った。どうやら飲み過ぎて具合が悪くなった様だ。
マスターはちょっと待っててという仕草をした後で、奴と一緒に来た彼女に話しかけた。どうやら彼女はこの店の常連で、2、3万使ってくれる客を毎回連れてくるのが役目の様だった。
マスターが何かを話したその瞬間、「え~~~~ウソ~~~~!」と、細い体のどこから出たのか分からない様な奇声を発した。
そして次の瞬間、僕の前にぶつかる様な勢いで飛んできた。
「本当にケントさんですか~~~~~」何とも言えない奇妙な声。「ハイ、そうです」そう答えると、「ギャー~~~本物だ~~~!」文章に書けないリアクションをした。
「私ケントさんの太陽写真メッチャ好きなんです~~~スマホの壁紙にもしてるもん~~会えてうれしい~~キャーーーそうだそうだサインして下さい!~~~」と言って彼女の働くキャバクラのチラシを差し出した。
「ええ!これにサインするの?・・・それはちょっとなー」しかたがないから自分の名刺を出してその裏にサインした。そうしたらとても喜んで彼女は自分の名刺を僕に渡し、「ぜひ店に来て下さい!特別なサービスしますから・・・」、そうちょうど話したところで、奴が帰って来た。
僕の方をちらっと見てから自分の席についた。彼女は小さな声で「あの馬鹿はもう連れて帰りますから・・・今度札幌に来たら必ず寄って下さいね~」そう言って奴の隣に座ったが、10分もしないうちに、「マスター帰るね~~~」と言って金を奴に払わせて店の外に出た。出て行く時、奴に見えない位置で僕に投げキスした。付けまつげが何ともグロテスクな娘だった。あれがその業界の流行りなのか???
僕には良く分からないが・・・キャバ譲と遊びたいとは正直思わない。
・・・・・
さて、やっと店内は静かになった。それは当然で客は僕一人だ。最後に一杯だけ飲むかどうしょうか迷っていたら、
「これは嫌な思いさせたから俺のおごりだよ!」そう言ってウイスキーが出た。口に含むと豊潤でまろやか。少なくとも20年以上熟成している。「旨い!」そう一言いうと、眼の前にボトルが置かれた。タリスカーの30年。旨くて当然だ。
「やっと静かに大人の時間が楽しめるね~」マスターにそう言って二人で笑ったが・・・その時間は長くは続かなかった。
・・・・・
いきなり入口のドアが開いた。奴が戻って来た。
僕はマスターに「I will be back.と彼は言ったかい?」そう言って笑った。
マスターは直ぐに「閉店です!」簡単にそう告げた。・・・しかし、彼は帰らなかった。
僕の方に向かって来た。
背中に気配を感じた僕は、せっかくの極上酒がまずくならないうちに一気に飲んだ。そして奴の方に振り向いた。
「あんた、ケント白石さんかい?」途中ろれつが回って無いようだったがそう訊いて来た。
「はい、そうです。」いつものケント・スマイルで明るく返事をした。
「さっきはちょっと言葉が過ぎて、あんたの悪口を言ったかもしれないが、気にしないでくれ…。」そう話した。
どうやら外でグロテスクなキャバ嬢から聞いた様だ。・・・それで詫びに来たのなら、まあ良しとするか・・・そう思ったのは早計だった。
「さっきはまさか本人が居ると知らなかったから言葉が悪かったけどよ、本人が眼の前に居るならハッキリ言いたい。あんたの写真はゴミだ。特に太陽写真はクソだな。それだけおれはハッキリ言っておきたかったんだよ。・・・邪魔したな」
奴はそれだけ言うとドアに向かって歩き出した。
最近僕は人前で大声を出したり、怒る事はまずない。撮影マナーの悪い者にさえ出来るだけ優しく注意する様にしているつもりだ。
しかし・・・この時、この瞬間、僕の心の中で何かが大きく切れる音がした・・・。
「待て、ゴキブリ野郎!」カラオケでも出ない様な大声が出た。奴が振り返った。
「美瑛町にはいないが、札幌にはプロ写真家を名乗るゴキブリが居ると聞いてた。まさか眼の前で合うとはなあ~~~ゴキブリ写真家、お前の事だろ?」
「何だときさま…」奴が言い返そうとしたが、直ぐに僕は続けた。
「普通ゴキブリって奴は人間の見えない所でコソコソするもんだ。2ちゃんねるとか女の前とかで他人の悪口言って喜んでる生き物だ。それなのにお前さんは、本物の写真家を前にしてもしゃべってるゴキブリだ。ゴキブリの道からも外れてるぞ。」
そこまで言うと、「なんだてめえ、この野郎・・・」そう叫んで僕の方に突進してきた。
僕は座ったままま、すでに足で準備していた隣の椅子を奴の前に蹴りつけた。すると見事に弁慶の泣き所(膝下)に命中して、奴は前に転び、次の瞬間待機していたマスターが、太い腕を首に回し奴の手を後ろにはがい締めにした。もはや彼は全く身動きが出来ない状態。
僕は椅子から離れて彼の横に座り、汚い耳の穴に向かって語った。
『プロボクサーが二人いて、もし片方が「俺の方がお前より強い!」そう言ったら、その勝負はリングで闘ってつける。それがプロってもんだ! でもお前さん達××協会のゴキブリ写真家は、ご本人が登場したらコソコソ逃げるか? あるいはあんたみたいに口で語るだけの臆病者だ。』
「あんた写真家なんだろ? しかも3流でもプロ写真家を名乗ってるんだろ?、だったら写真で勝負したらどうだ!」
耳糞の詰まった耳でも聞こえる位に大きな声で言った。暫く、といっても数秒だが沈黙があった。
「わかった!」呻くように彼は声を出し、「よし、てめえと勝負してやる。写真で勝負してやる!」男はそう言った。
僕はマスターに眼で合図して、彼を放させた。そして彼を起こして座らせ、自分もその前に座った。
「500pxは知ってるか? 世界中に500万人以上の会員数を誇る世界一大きな写真サイトだ。」
「知ってる、投稿した事は無いが…。」彼は足も腕も相当痛そうだった。自業自得だが明日は仕事にならんだろう。
「そのサイトであんたと僕は二つの新しいアカウントを取る。そして写真を投稿して24時間後自動的に表示される点数がお互いの評価だ。0.1点でも点数の高い方が勝者だ!」
「あんたの所属してる協会の別なゴキブリ写真家が以前同じルールで勝負したよ。」
「敗者は相手が使っているカメラの新品を買って渡す。僕の場合はSONYのα7R2だ。40万位だ、どうだ受けるか?」
彼は直ぐに答えた。
「もちろん受けてやる。でもカメラなんかいら無い、金にしろ。」そう言った。
「わかったよ、それじゃ50万円だ!、いいな?」僕がそう言うと、
「50万?100万円でもいいぞ?どうせお前が払うんだから…。」そう答えた。
「いきがるなよ、どうせ貧乏プロ写真家なんだろ? 廻りを見ろ、男3人しかいないんだぞ。ここには見栄を張りたくなるような女はいない。無理するな!」そう言ったら、
「俺が100万と言ったら100万だ!受けれないのか?」そう訊いて来た。
僕はしばしこいつの顔を睨みつけた。
「よし分かった、100万だ。プロ同志の約束だ忘れるな!」
そう言って彼を立たせた。そして名刺を渡した。
「今日の午後5時まで札幌にいる。いつでも俺の携帯に電話よこせ。こんな勝負は年に数度ある。だからPDFファイルで詳しい決闘ルールと要項を作ってある。印刷してあんたに渡す。」
彼は僕の名刺を握りしめながら入口まで歩き、振り向いて、「逃げるなよ!」そう言った。
「誰が逃げる?僕が? 僕は有名だ、逃げ隠れ出来ないさ。あんたはどうだ?僕はあんたの名前さえ知らない。いいか今日の5時までだぞ!忘れるな。それからあんたは自分で100万と言ったんだ。必ず用意しろよ!」
そう話している間にドアが閉まった。
・・・・
マスターはドアに鍵を掛け、奴を倒した椅子を直し、僕の前にグラスを置いた。
今度は眼の前にボトルが見えた。フランス・コニャック地方最高のブランデーの一つ、ポールジローの50年だった。
暫く沈黙が続いた・・・この酒を飲む時はその事に集中すべきだ。それほど素晴らしい酒だ。
口火はマスターが切った。
「賭けるかい?」
僕はマスターの顔を一瞬見て、声を出そうとした瞬間、向こうが早かった。
「来ない方に賭ける!」そう言った。しかも続けて「電話が来たら3万、来なければ1万、どうだい?」顔が笑ってる。
「答えは分かってるでしょ?」僕がそう言うと、「そうだよな、やっぱりゴキブリ写真家だね~いつの時代もああいう奴が居るんだよね~」マスターはそう呟き、自分のグラスにも同じ酒を注いだ。
お互いに伊達に歳は取っていない。
50万と言った僕に対して、賭け金を100万に釣り上げるような奴は参加しない。これは数少ない僕が信じている真実の一つだ。
そして案の定、その日1日電話は鳴らなかった。
・・・・・
僕が何故この話を皆さんに書いたか?
これは僕の自慢話ではありません。むしろその逆で、僕はこういうゴキブリ写真家に癖壁しています。
写真家は、少なくとも世界でアーティストを目指す様な写真家は、写真で勝負すべきです。しかも闘う相手は誰かではない、自分との闘いです。
つい先日、米国の超一流写真家が僕に1枚の写真を送って来ました。これまでに見た事ない様な現像です。そう、今までの写真は撮影に重点が置かれていた。しかしこれからは変わる。少なくとも風景写真の世界は大きく変わる。
写真は撮るから創作する世界になる。8K時代になればこの意味がもっと理解出来るようになるでしょう。そして世界の超一流はどんどん先に進んでいる。
皆さんが目指すのは世界のアーティストです。上で書いた様な「ゴキブリ写真家」とは意識が違うはずです。
僕はただただ写真が好きで、撮る事も、皆で写真について語る事も楽しいのです。だからこんなくだらない写真家と出会うととても悲しいのです。
皆さんは目指す方向をけして間違ってはいけません。日本の写真文化を世界に広めるためにも、どうか頑張って下さい。
最後に写真を貼ります。

「朝日の中で雪降る丘」 北海道美瑛町
嫌な事があった翌日の朝、こんな情景に出会うと涙が出てきました。
僕は何のために写真を撮っているのだろう・・・そんな事を考えながら、撮影した後も暫く雪の中にたたずんでいました。
いつの日か、世界中で活躍する多くの日本人アーティストと写真について楽しく語りたい。そんな夢を僕は抱いています。
それまで、ひたすら・・・時々孤独と闘いながらも、意識を高く持って努力し続けます。きっと皆さんが後に続いてくれると信じています。
今大きな仕事が入りました。これから少しの間、創作活動に専念します。


(#^.^#)
ケント白石
北海道を世界に売り込む侍写真家
★ケント白石 写真家のCafe「てふてふ」
Open Time : 13時~22時 不定休 写真術講座開講中
Tel:0166-92-5137
撮影で不在の時が多いです。来館前にお電話下さい!
Professional & SAMURAI Photographer Kent Shiraishi
ケント白石 写真家の宿「てふてふ」
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